キネマ旬報「日本映画オールタイムベスト」(2009年選出)
日本が誇る老舗の映画雑誌「キネマ旬報(じゅんぽう)」(キネ旬)が2009年に発表した歴代の日本映画(邦画)の「オールタイム・ベスト」(史上最高作品)のランキングです。 おすすめの感動映画や不朽の名作、昭和・平成を代表するコメディ、サスペンスなどが勢ぞろい。 映画評論家や映画監督・脚本家らの業界関係者などが投票し、キネ旬が集計しました。 1位は「東京物語」、2位は「七人の侍」、3位は「浮雲」。 ストリーミング動画配信(Amazonビデオ、Netflix、U-NEXTなど)とともに一覧にしました。(キネヨコ編集部)
ランキングの出典(書籍):オールタイム・ベスト 映画遺産(キネ旬ムック)Tweet
トップ10
順位 | 作品名 (公開年) |
監督、解説 |
---|---|---|
1 | 「東京物語」 (1953年) 【動画】 予告編→ Amazonビデオ→ U-NEXT→ |
小津安二郎監督。人生のわびしさと悲しさを何気ないタッチで描いた小津映画の名作。海外での小津ブームのきっかけとなった。
成人した子供たちを訪ねて広島から上京する老夫婦(笠智衆、東山千栄子)と義理の娘(原節子)との交流などが話の軸。 日本映画としてだけでなく、洋画を含めた世界全体の映画としても最高傑作とも言われれる。 世界の映画監督の投票によって2012年に選んだ「世界史上最高の名作映画」(イギリス映画協会主催)でも、「市民ケーン」や「2001年宇宙の旅」をさしおいて堂々の1位となった。 小津安二郎監督は1903年生まれ。1927年に松竹映画「懺悔の刃」で監督デビュー。「大学は出たけれど」(29年)「父ありき」(42年)「晩春」(49年)「麦秋」(51年)「小早川家の秋」(61年)「秋刀魚の味」(62年)など54本の作品を残した。 作品は英、独、仏、中国など各国で字幕版が繰り返し公開され、支持されている。 |
2 | 「七人の侍」 (1954年) 【動画】 予告編→ Amazonビデオ→ |
日本が誇る巨匠・黒澤明監督の代表作。
世界のアクション映画史に燦然と輝く金字塔である。
黄金期にあった日本の映画界の総力が結集されている。
アメリカのハリウッドが原作権を獲得し、西部劇「荒野の7人」となった。 作家の井上ひさしさんは「シェークスピアの作品さえあれば演劇とはどんなものか分かるし、『七人の侍』さえあれば映画とはどんなものか分かる」と語った。 雨中の決戦シーンなどの数々の名場面でも有名。 黒澤監督は1910年(明治43年)、東京生まれ。旧制中学を卒業後、画家を目指し、18歳で二科展入選。日本プロレタリア美術同盟に入ったが、間もなく運動から離れ、映画説明者だった兄の元に身を寄せた。 26歳で東宝の前身の映画製作所PCLに助監督として入社。山本嘉次郎、成瀬巳喜男両監督らの下で脚本を勉強した。 1943年、映画「姿三四郎」で監督としてデビュー。「羅生門」「影武者」「乱」などの名作で多くの国際映画賞を獲得した。1998年、東京・成城の自宅で脳卒中のため死去。享年88歳。 |
3 | 「浮雲」 (1955年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
黒澤、小津、溝口の3大巨匠と比べて過小評価されているとも言われる成瀬巳喜男(みきお)監督の代表作。
日本史上最も優れた恋愛映画と評される。 妻子ある男と、女の愛情を描いた大人のラブ・ストーリー。 激動の終戦直後が舞台。 原作は、昭和の伝説的な小説家、林芙美子(ふみこ)。 |
4 | 「幕末太陽傳(でん)」 (1957年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
45才で亡くなった鬼才・川島雄三監督の代表作。
コメディ時代劇。
「居残り佐平次」「芝浜の革財布」「品川心中」といった古典落語をミックスさせ、 テンポの良い喜劇に仕立てた。 さらに、高杉晋作という実在の人物と幕末の騒然たる時代相をアレンジさせている。 主演は、ドラマーから役者に転じたフランキー堺。 石原裕次郎が脇役として高杉晋作を演じる。 |
5 | 「仁義なき戦い」 (1973年) 【動画】 Amazonビデオ→ Netflix→ |
深作欣二監督。
暴力団の抗争を実録ふうに描いた。
戦後の日本のヤクザ抗争の中で最も激烈だったとされる「広島抗争」を題材にしている。 元暴力団組長の獄中手記をもとに、 飯干晃一が週刊誌に連載した小説が原作となっている。 暴力団の実話をベースとする「実録シリーズ」の第1作。 この作品をきっかけに、 1960年代後半の「仁侠映画」とは一線を画すバイオレントなヤクザ映画が流行した。 荒々しい手持ちカメラの映像が、 ドキュメンタリーを見ているかのような生々しさで迫る。 |
6 | 「二十四の瞳」 (1954年) 【動画】 Amazonビデオ→ U-NEXT→ |
田舎の女性教師と12人の教え子が綴る愛と涙の物語。泣ける映画の決定版。木下惠介監督。 作家、壺井栄の小説を基につくられた。 舞台は壷井の故郷である香川県・小豆島。 この島で長期ロケを行い、子役も現地の素人を起用した。 純粋無垢な少年少女たちが成長し、戦争と貧困で傷ついていく。 激動の戦前・戦中・戦後の昭和史が描かれている。 「静かなる反戦映画」として受け止められている。 |
7 | 「羅生門」 (1950年) 【動画】 Amazonビデオ→ U-NEXT→ Netflix→ |
黒澤明監督が初めて国際的な評価を獲得した記念すべき作品。
平安時代を舞台に人間のエゴを描いた。
映像美が世界で絶賛された。
原作は、芥川龍之介の小説。 1951年のベネチア国際映画祭で作品賞(金獅子賞)を受賞。 当初は国内の評価はあまり高くなかった。しかし、イタリア映画関係者らの手で、本人の知らぬ間にベネチア国際映画祭に出品された。 日本映画として初めてメジャーな国際映画祭での栄冠となった。 映画界のみならず、敗戦(1945年)のダメージに打ちひしがれていた日本全体に希望を与えた。 さらに、1952年には米国アカデミー賞の名誉賞(現在の外国語作品賞)に選ばれた。一躍「世界のクロサワ」が脚光を浴びることになった。 撮影監督(カメラマン)は宮川一夫(みやがわ・かずお=本名一雄)氏。 森の中のこもれ日など光と影とのコントラストを、見事なカメラワークで表現し、世界に衝撃を与えた。少年時代から墨絵を習い、風景を陰影でとらえる眼力を鍛えていた宮川さんの感性だった。 黒沢監督は「カメラは100点満点で100点以上」と手放しで絶賛した。 |
「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」 (たんげさぜんよわ・ひゃくまんりょうのつぼ) (1935年) 【動画】 Amazon→ |
戦前、天才監督として大活躍したあと徴兵され、28歳という若さで病死(戦地・中国での赤痢)した山中貞雄の作品。
山中監督の現存している3作品のうちの1つ。 時代劇。 日本製ホームコメディの最高傑作と言われている。 今なお斬新で、普遍的なユーモアセンスが光る。 |
|
「太陽を盗んだ男」 (1979年) 【動画】 予告編→ Amazon→ |
中学校の理科の教師が自家製の原爆をつくり、それをネタに政府を脅迫するという大胆なドラマ。
1970年代に人気ナンバー1の歌手だった沢田研二が主役を演じた。
警察役は菅原文太。 スリリングでかっこいい。純粋に楽しめる高品質なエンタメ作品であるとともに、 「虚無感」「アナーキズム」が漂う都会派の人間ドラマになっている。 劇場公開されたときはヒットしなかった。 しかし、熱心な映画ファンからは大好評を博し、その年のキネマ旬報の読者投票で1位に選ばれた。 その後、年月を重ねるにつれて評価が一段と高まり、 日本映画史に残る名作として位置づけらている。 長谷川和彦監督。 親日派の脚本家レナード・シュレーダーと長谷川が脚本を書いた。 相米慎二(助監督)や黒沢清(制作進行)など、後に邦画界を背負う人材がスタッフに名を連ねている。 |
|
10 | 「家族ゲーム」 (1983年) 【動画】 予告編(Amazon)→ |
日本映画界に新風を吹き込んだ森田芳光監督の代表作。
斬新な映像や演出が称賛された。
森田監督は当時33歳。衝撃的な出世作となった。
特異なキャラクター、カメラワーク、色づかいなど、
様々な面でユニーク。
音楽を一切使わず効果音をフルに生かす手法も話題となった。主演・松田優作の演技も絶賛された。 受験生を抱えてピリピリする家族と、 そこに家庭教師としてやってきた変わり者の男が展開する喜劇的なホームドラマ。 キネマ旬報ベストテンで1位に輝いた。 1984年の日本アカデミー賞では、 作品賞のノミネートされた。 しかし、「楢山節考」に敗れた。 キネマ旬報が2019年に発表した「1980年代日本映画ベストテン」では、 堂々の1位となった。 |
「野良犬」 (1949年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
黒澤明監督による犯罪サスペンス映画。
敗戦直後の混乱した東京が描かれている。
三船敏郎が演じる新米の刑事が主人公。
この刑事が拳銃を紛失するところからストーリーが始まる。 俳優にカメラを意識させないでリアルな感じを出すために、当時ほとんど使用されていなかった長焦点レンズで撮影した。 黒沢監督の演出力が光る。 |
|
「台風クラブ」 (1985年) 【動画】 YouTube→ |
相米慎二(そうまい・しんじ)監督が37歳のときにつくった作品。
台風によって学校の校舎に閉じ込められた男女数人の一夜のストーリー。
思春期の不安定な心情が描かれている。 相米監督は盛岡市出身。中央大中退後、日活を経てフリー。「セーラー服と機関銃」「魚影の群れ」などでも有名。 本作は、監督として5本目となる。記念すべき第1回目(1985年)の東京国際映画祭でヤングシネマ大賞を受賞した。 また、相米監督は1998年の「あ、春」でベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。キネマ旬報ベストテンの第1位に選出された。 しかし、肺がんを患い、2001年に53歳という若さで亡くなった。 |
トップ10 | 11~20位 | 21~30位 | ページの先頭↑
11位~20位
順位 | 作品名 (公開年) |
監督、解説 |
---|---|---|
13 | 「生きる」 (1952年) 【動画】 予告編(Amazon)→ |
黒澤明監督。 死を目前にした男の生きざまを描いた。 主人公は公務員。30年間無欠勤。 お役所で「事なかれ主義」的に仕事をこなす平凡な毎日を過ごしていた。 しかし、自らの余命が短いと知り、人生の最期に人間として手ごたえをつかみたいという意識が芽生える。 主役の志村喬(たかし)がブランコで「命短し・・」と唄うシーンは名場面として多くの人の心に刻まれている。 |
「洲崎パラダイス 赤信号」 (1956年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
川島雄三監督。 東京の江東区東陽一丁目近辺に実在していた遊郭「洲崎パラダイス」。 この町に駆け落ちしてきたカップルと、遊郭の住民たちを描いた。 日本のメロドラマの歴史に残る名作と言われる。また、日活映画の最高傑作の一つとされる。 | |
「天国と地獄」 (1963年) Amazonビデオ→ |
黒澤明監督。 誘拐事件をテーマにしたスリリングな作品。 それまでの日本映画にはなかったようなサスペンスの連続と、 モノクロの特性を生かした新鮮な映像が衝撃を与えた。 本作で描かれた巧妙の手口を模倣した犯罪が多発し、社会問題になった。 身代金を要求されるお金持ちを演じた三船敏郎ら、役者たちの演技も称賛された。 | |
「飢餓海峡」 (1965年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
内田吐夢監督。 敗戦直後の荒廃した日本が舞台。 北海道と本州を結ぶ船「青函(せいかん)連絡船」の転覆事故。そして、同じ日に北海道で起きた強盗・放火事件とその後を描く。 ドキュメンタリータッチで展開される重厚なドラマ。 | |
17 | 「切腹」 (1962年) 【動画】 予告編(Amazon)→ U-NEXT→ |
小林正樹監督。
武士の失業があふれた江戸時代の初期が舞台。
貧乏な老武士の意地(サムライ精神)を描くとともに、
富を握る権力者の虚飾を痛烈に批判した。
国際的にも高い評価を受け、カンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞した。 また、主演の仲代達矢の演技も称賛され、キネマ旬報ベストテンの主演男優賞を受賞した |
「赤い殺意」 (1964年) |
今村昌平監督。
日本の家族制度のもとで弱い立場に甘んじていた嫁が、強盗犯に犯されるという事件をきっかけに、強い女に変身。
バイタリティーを爆発させる。 古い封建制度と因習が根深く残っていた東北が舞台。 今村監督のねちっこい演出が光る。 主演の春川ますみの好演も称賛された。 後の日活ロマンポルノの先がけ的な映画ともいわれる。 |
|
「東京オリンピック」 (1965年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
市川崑監督。 102台のカメラ、232本のレンズを駆使して、競技でなく人間をとらえた記録映画。 その先鋭的な演出は様々な物議を呼んだ。 カンヌ国際映画祭では国際批評家賞を受賞した。 | |
「砂の器」 (1974年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
野村芳太郎監督。
東京の蒲田操車場で事件が発生。身元不明の死体が発見される。東北なまりの“かめだ”を手掛かりに、東北、北陸、中国地方に地道な捜査を進めたベテランと若手の刑事コンビが、死体の身元を突き止めて、ついに犯人にたどりつく。
ハンセン病の父と幼い息子の道行きは、合掌造りの家屋が並ぶ石川県の郷里の村から始まる。 花咲く山里、雪原、夕日の海辺、稲穂の田園…。四季折々の風景の中、親子は偏見、いじめに遭いながら歩き続ける。 津軽の竜飛岬から信州、北陸、山陰をさすらい、白い装束はボロボロになり、親の病状は進む。そして、二人は島根県の亀嵩へ行き着く-。 松本清張の小説の映像化は難しいといわれる。しかし、数は多い。その中で最高といわれるのが本作である。 「原作を超えた」とも言われた。脚本は橋本忍と山田洋次が担当した。出演は丹波哲郎、森田健作、加藤剛、島田陽子、加藤嘉、緒形拳ほか。ロケは、刑事の捜査、父子の道行きをたどって、日本を縦断。製作費は当初見込みの倍、4億円近くになった。 |
|
「青春の蹉跌(さてつ)」 (1974年) 【動画】 テーマ曲→ |
神代辰巳監督。原作は、石川達三の同名の新聞連載小説。野心を持つ貧しい青年が、資産家の令嬢と結婚しようとして、邪魔になった恋人を殺す-。実話を基にしたといわれる。
共同通信・立花珠樹記者は「主役・萩原健一(ショーケン)の不良っぽさ、桃井かおりのコケティッシュで粘りつくような魅力、檀ふみの育ちの良さ。新宿の歩行者天国など当時の風俗の中で、俳優の個性と肉体がきらめいている」と評価した。 |
|
「風の谷のナウシカ」 (1984年) |
宮崎駿監督。
ジブリ映画の第一弾。
現実に起こっている地球の自然破壊をとらえ、
この清算は人類がなさなければならないというメッセージを、
かれんなナウシカに託した。
産業文明が崩壊してから1000年後が舞台。 人類はオームと呼ばれる虫や有毒なガスを放つ腐海におびえて暮らしている。 ある日、「風の谷」が強大なトルメキア軍に占領されてします。 風の谷の族長の娘ナウシカは、剣を持って立ち上がった。 宮崎監督の持つ自然に対する優しさ、人間に対する思いやりがふんだんにあふれる。 アニメの地位を高めることにも貢献したと評価されている。 大人にも感動を与えた。 絵のかわいらしさも魅力。 |
トップ10 | 11~20位 | 21~30位 | ページの先頭↑
21位~30位
順位 | 作品名 (公開年) |
監督、解説 |
---|---|---|
23 | 「人情紙風船」 (1937年) |
山中貞雄 |
「用心棒」 (1961年) 【動画】 Amazonビデオ→ YOUTUBE→ |
黒澤明監督。
時代劇の最高傑作の一つ。「悪い奴ほどよく眠る」に続く黒沢プロ作品の第2弾。 三船敏郎演じる浪人・桑畑三十郎を主人公にした、すさまじい殺陣シーンだけでなくユーモラスなタッチも織り込んだ作品になっている。 映画は三船が宿場にたどりつくところから始まる。まず一方の親分に売り込み相手方のならず者を3人斬り、50両の約束で用心棒におさまる。この村は悪人がのさばり、二つの組織がいがみ合っている。そこで三船はその双方を手玉にとってお互いに戦わせ、彼らをほとんど片付けて、またひょうひょうと去っていくというストーリーだ。 登場人物の中でピストルを持ち、マフラーを首に巻いたキザでニヒルな殺し屋を演じた仲代達矢の個性が光った。 公開後の1964年に、イタリア映画界の巨匠セルジオ・レオーネ監督によって「荒野の用心棒」のタイトルで映画化された。「マカロニ・ウエスタン」と呼ばれるジャンルだった。 1996年には、米ハリウッドが製作費55億円の西部劇大作として再び映画化。「ラストマン・スタンディング」(ウォルター・ヒル監督)として公開された。三船敏郎の“剣豪”は、トップスターのブルース・ウィリス(当時41歳)が演じた。 このほか、1992年に大ヒットした「ボディガード」(ケビン・コスナー主演)の劇中にも登場。「用心棒を百数十回見た」というせりふが出てくる。海外で認知度の高い作品である。 黒沢作品は用心棒以外でも海外で高く評価されており、「七人の侍」が「荒野の七人」、「羅生門」が「暴行」のタイトルで再映画化された。(井上竜仁) |
|
「けんかえれじい」 (1966年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
鈴木清順
昭和初期の岡山の学生の物語。 旧制中学の硬派な不良学生が、けんか修行で男を磨く。その一方で、純愛と性欲の矛盾に悩む。 南部麒六(高橋英樹)は、青春の悶々を解消すべく、けんかに明け暮れる毎日。 下宿先の娘道子(浅野順子)に恋心を抱いている。だが、自分の思いを伝えることができない。 こうしたなか、学校の軍事教育に反抗したことで退学をさせられた。 過剰なエネルギーをうまく制御できない若者を、高橋英樹が好演した。 本作の翌年に製作した「殺しの烙印」が、難解すぎるとして、日活の社長に解雇された。監督作品も一切貸し出し禁止となった。 「鈴木清順問題共闘会議」が生まれ、裁判闘争が続いた。 不遇の時代が続いたが、1980年の「ツィゴイネルワイゼン」でキネマ旬報ベストテン(1980年)の第1位を獲得した。ベルリン国際映画祭特別賞も受賞。 【配給:日活】 原作:鈴木隆、脚本:新藤兼人、監督:鈴木清順、主演:高橋英樹/浅野順子 |
|
「蒲田行進曲」 (1982年) 【動画】 Amazonビデオ→ U-NEXT→ |
深作欣二監督。
映画製作の舞台裏の物語。松竹映画だが、舞台は東映の京都撮影所。邦画になかった軽快なテンポで最後まで一気に見せる。 当時、人気沸騰の演劇人つかこうへい氏脚本で、深作欣二監督が映画化した。 銀ちゃん(風間杜夫)は、主役の座を奪われそうになり焦り気味。興行界実力者の娘との結婚話が持ち上がり、腐れ縁の元女優、小夏(松坂慶子)を、子分の大部屋役者ヤス(平田満)に下げ渡す。 |
|
「3-4x10月(さんたいよん・えっくす・じゅうがつ)」 (1990年) |
北野武 | |
「雨月物語」 (1953年) 【動画】 予告編→ |
溝口健二 | |
「近松物語」 (1954年) | 溝口健二。
巨匠・溝口健二の後期の代表作。江戸時代に実際に起きた事件をモデルにした悲劇。(長坂) |
|
「野菊の如き君なりき」 (1955年) 【動画】 Amazonビデオ→ |
木下恵介 | |
「流れる」 (1956年) |
成瀬巳喜男 | |
「薄桜記」 (1959年) 【動画】 予告編→ |
森一生 |